groschat produse vol.6
2003年9月19日(金)~23日(火)祝日
阿佐谷/ART THEATER かもめ座
データ
アルス・アマトリア 愛の技術
【作】池谷なぎさ
【演出・美術・挿入歌作曲】V・銀太
【出演】池谷なぎさ/原金太郎/沖田乱/中田春介/鈴木隆/河崎耕士/庭山智行/野口博正/正田達也/岡本まぐろ/小林あや/渡辺由紀子/大木奈菜/V・銀太
【日時】2003年9月19日(金)~23日(火)祝日
9/19(金)-19:30
9/20(土)-15:00/19:30
9/21(日)-15:00/19:30
9/22(月)-19:30
9/23(火)-15:00
※開場は開演30分前。当日券・整理券の発行は開演1時間前より行います。
【会場】阿佐谷/ART THEATER かもめ座
〒166-0004杉並区阿佐谷南3-5-2牧野ビルB1
[TEL]03-3393-4058
[Web]http://www.kamomeza.com/
【チケット】[前売り・予約]2800円[当日]3000円
【前売・予約&問合せ】グローシャgroschat produce
【スタッフ】◎照明/杉本公亮 ◎音響/井出比呂之◎舞台監督/虹色冒険家◎企画・製作/グローシャ
◎協力/本間美奈子/菅原広路/岡島哲也/伊藤裕作/ふくふくや/劇団ハートランド/風々々/有限会社オー・ティー・オー
コピー
◎コピー◎
愛って永遠なの? 多分、一瞬だよ。
「じゃあ、さようなら。また今夜。」
彼女はそう云い終わるとカーテンの向こうに姿を消した。
「また今夜か…。」
今夜になれば、また彼女がやってくるボヘミヤに行こうが、アマゾン川で泳ごうが思いのままさ。
一晩中手を繋いだままでも構わないし、一晩中ポーカーに熱中するのもいい。
そうやって僕らは永遠に交わらない時間を永遠に持て余す。
僕は狂ってもいないし、正常な大人でもない。
ただ少しだけ人と違うのは、幽霊と結婚しているということぐらいだ。
挨拶
◎挨拶◎
今回の稽古場は常に笑いに満ちていた。腹の皮が破けるほど笑った。そうしてみんな、一人になった時に泣いていたのだ。
私たちはいったい何処に向かっているのか。かもめ座での11日間は、いつまで経っても本番のはじまらないオーケストラリハーサルのように、苛立ちや不安、焦燥、妄想にさいなまれた。膨大な作業と引き換えに得られるものは、絶望と、そしてささやかな希望でしかない。このちっぽけなクワセモノのために、一瞬の生の輝きのために、果てのない旅は終りそうにない。死ぬ時はたったひとりだけれど、生きている時はどうしてこんなに人恋しいんだろう。そんな芝居になった。私たちはまだ誰でもない。それぞれが複雑な感情をいっぱい抱えたひとりの人間で、そして舞台に棲みついた役者という傲慢で臆病な生きものだ。死んでも死んでも生き返る。人生をおもちゃにして命懸けで遊ぶ。自分の記憶だけを頼りに、生きたあかしを探す。うそっぱちの世界の裏側を目指して‥。
本日は御来場まことにありがとうございます。
池谷なぎさ
物語り
◎物語り◎
自分自身が何者であるのか…ここ数年の記憶を失った青木と名乗る男は、リハビリを名目におんぼろバスの移動図書館を開いていた。ある日、彼の目の前に二十年前の旅先で知り合ったマリコという女が現れた。恋の続きをはじめようとするふたりに様々なカップルが絡み合う。ふたりの過去は捏造され、ねじ曲げられてゆく。そして愛の生活と引き換えに名前も国籍も記憶すらも剥ぎ取られてしまうのだった。次第に痕跡は消え、空っぽの欲情だけが残る。存在を否定されながら幽霊のように彷徨う人生など、紙に書かれた虚構でしかない。カオス(渾沌)に向かう彼らの逃避行は、新しいイノチを手に入れるための決意なのだ。永遠に交わらない会話を永遠に持て余しながら…。愛はゆっくりと、そして確実に疾走を始めるだろう。
◎新・愛の技術◎
世の中に罷り通っているモノを利害関係なしに語る事は不可能であるから、総て嘘っぱちである可能性もゼロではない。そんな事を考えていた二〇〇一年九月十一日、事件は起こった。以来、我々が信じて(信じようとして)きた概念は北朝鮮拉致問題によって根底からくつがえされる。誰もが人生について、もう一度冷静に考えはじめた。
この作品は一人の男の記憶の中のロードムービーである。人生とはささやかで奇想天外なものだ。画家は自分の死期が近いと悟った時、宗教画を描くようになる。どうやら私も宗教画の境地に入ったらしい。おっと、今や宗教という言葉はタブー。それを口外するとはまったくもって言語道断、お見苦しい限り。誤解なきよう願うが、私の宗教は《愛》である。いよいよ雲行きがあやしい。だが、人類は二千年も前から《愛》の定義を作り続けてきたのだ。それは現代において少しも色褪せることはない。なぜなら愛の定義を作り続ける行為そのものが人の歴史だからだろう。
古代ローマの詩人オウィディアス著「アルス・アマトリア」(愛の技術)では、女の子を口説き落としてセックスに導くまでの手練手管から、オンナゴコロの機微とその対処法に至るまでを丁寧に解説している。愛は技術なのだ、と云うあたりが微笑ましいではないか。私もその技術とやらを探してみたくなった。芝居作りは愛のいとなみによく似ている。
結論。愛は歴史である。そして、一瞬でもある。
池谷なぎさ
キャスト紹介
今回も多方面から個性豊かな俳優達が集まりました。
マリコ
池谷なぎさ
作家・主演。震える肉体、大胆不敵な狂人。
舞全博士
原金太郎
今回初出演。上品かつエロティックな燻し銀。
みちこ
小林あや
元流山児★事務所、21世紀のアヴァン.ギャルド
少女
渡辺由紀子
ハートランド女優。生真面目なコメディアンヌ